野球

野球の概述

野球は、2つのチームが攻撃と守備を交互に繰り返して得点を取り合い、得点数の多いか少ないかに基づいて勝敗を競う競技です。点数の多いチームが勝利を手に入れることができます。

1チーム9人ずつで構成された2チームが守備側と攻撃側に分かれ、守備側の投手が投げたボールを攻撃側の打者がバットで打ち、設置された4つのベース(塁)を反時計回りに進み、一周することで得点を得ます。

両チームは攻撃と守備をそれぞれ交互に9回ずつ行い(7回以下ずつの場合もある)、その間に挙げた得点の多さを競います。

4つのベースは、それぞれ一塁(ファースト・ベース)、二塁(セカンド・ベース)、三塁(サード・ベース)、本塁(ホーム・ベース)と言います。なお、大会やリーグによってルールの細部に相違点があり、

たとえば予め定めた以上の一方的展開になった場合や気象条件等により途中で試合を打ち切るコールドゲームの規定、攻撃時に投手と呼ばれるポジションの選手の代わりに攻撃専門の選手を使う指名打者(DH)制度の有無、審判員の人数等細かな違いがあり、大会やリーグごとにそれぞれの環境に最適と考えられる制度を採用しています。

アメリカが発祥の地および本場であり、アメリカのメジャーリーグベースボール(MLB)が主導しています。他の国で行われる野球のルールも、基本的にはアメリカのベースボールのルールを模倣したり、アメリカでルールの修正・変更があれば、たいていはアメリカを「後追い」する形で修正・変更されています。

「baseball(ベースボール)」という名称は、4つのbase(ベース)を使用するという特性を由来としています。なお、日本語の「野球」という名称は、明治期に日本で中馬庚が作った和製漢語です。

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野球の歴史

野球は1839年に、ニューヨークのクーパースタウンで、アブナー・ダブルディーという人によって始まりました。ここには、現在「野球殿堂」があります。1845年には、アレクサンダー ジョイカートライトによって最初のルールが作られ、初めて競技となりました。

1860年代初頭の南北戦争の頃、長きに渡る内戦の過程で、兵士たちが各地で余暇に野球を行ない、捕虜のレクリエーションとしてもゲームが行なわれて徐々に米国に広がっていきました。

その後、数々の野球チームが誕生し、1869年に初めて野球を職業としたプロ野球チーム「シンシナティ・レッドストッキングス」が結成されました。これを皮切りに全米各地でプロ野球チームが誕生し、1901年にア・リーグ、ナ・リーグの8チーム体制が整いました。

これが近代野球の始まりと言われています。その後イギリス以外でも、野球は広く行なわれるようになり、1875年には最初の国際試合が開かれました。

20世紀に入ると、世界の野球を取りまとめる「国際野球連盟(IBAF)」が誕生しました。

なお、日本に野球が伝えられたのは、明治維新後の1872年(明治5年)です。東京大学の前身である開成学校のアメリカ人教師ホレス・ウィルソンらが、母国からボールとバットを持ち込み学生たちに野球を教えました。

その6年後には社会人を中心とした本格的野球チームが結成され始めます。この頃は、野球と言う言葉もまだ使われておらず、「玉遊び」「打球鬼ごっこ」「底球」など様々な名前で呼ばれていました。ベースボールを「野球」と和訳したのは旧制一高OBであった中馬庚(ちゅうまかのえ)とされています。

1905(明治38)年には、早稲田大学野球部が初めてアメリカに遠征し、技術から用具まで野球の本場から多くのものを持ち帰りました。これが日本の野球発展に大きな貢献を果たし、野球が全国に普及していきます。

大正時代には、今の高校野球・夏の甲子園大会に当たる全国中等学校優勝野球大会が開始されたり、東京六大学リーグが始まるなど野球人気はどんどん高まっていきました。 

昭和になると、大リーグチームが来日して日本のチームと対戦し、これを機に日本初の職業野球チームが結成されます。そしてプロ野球として発展し、数々の名勝負や感動の場面を提供して、日本文化の一翼を担う程成長しています。

最後に

1900年代初頭には、野球は日本で最も人気のあるスポーツの一つになっていました。野球は、その長い歴史のおかげで、現在、日本文化の重要な一部であり続けているのです。

日本での野球人気の理由はいくつかあります。ひとつは、野球がとてもわかりやすく、親しみやすいスポーツだということです。他のスポーツと違って、野球を楽しむために複雑なルールを知る必要はありません。

比較的シンプルなゲームなので、幅広い年齢層の方々が楽しむことができるというわけです。もう一つの理由は、野球のWBC=ワールド・ベースボール・クラシックは、2023年3月21日、アメリカ・フロリダ州の「ローンデポ・パーク」で

日本とアメリカの決勝が行われ、日本が3対2で勝って3大会ぶり3回目の優勝を果たしました。また今大会のMVP=最優秀選手には日本の大谷翔平選手が選ばれました。

日本からMVPが選ばれるのは、第1回と第2回大会で選出された松坂大輔さん以来となります。さらに大会のベストナインにあたる「オールWBCチーム」には大谷選手と吉田正尚選手の2人が選ばれました。

世界の舞台でこれだけのいい成績を収めた日本、野球が一層に流行っていくのも当然といえるでしょう。これから日本の土地でもっと多くの人が野球をし、もっと多くの大谷翔平レベルの選手が育てられてくるでしょう。

現代のデジタル社会、eスポーツは若者世代を中心に人気があり、2018年にはプロ野球eスポーツリーグが発足しました。

また、日本でもブームの欧米で発展したブックメーカーで野球に賭ける人も増加し、野球人気はまだまだ劣ってはおりません。

そして、野球の歴史が長いためか、野球を取り巻くコミュニティも強く、このような背景から、野球は日本で最も人気のあるスポーツの一つとなっているのです。

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